こんにちは。
内向型プロデューサーのカミノユウキです。
「目標を立てたはいいけど、行動が続かない…」
「叶えたい夢があるのに、時間だけが過ぎている…」
このような経験、誰しも一度はあると思います。
これは、そもそもの目標の設定のやり方が間違っていることが多いです。
今回の記事では、人生を劇的に変えるゴール設定について解説していきます。
ゴール設定とは、認知科学コーチングの概念で、目標の達成や夢の実現にものすごく効果的です。
「目標を立ててるのに、人生がいい方向に変わっていかない…」と感じている人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
認知科学コーチングのプロ資格を持つカミノが
・なぜ一般的な目標設定ではダメなのか
・ゴール設定をするとどうなれるのか?
について解説してきます。
目次
目標は「未来」ではなく「今の行動」を変えるもの
ゴール設定の説明の前に、そもそも目標ってなんのために立てるんでしょうか?
「目標って未来どうなりたいかを決めるものだから、自分の未来を変えるために立てるんじゃないの?」
もしあなたがこう思っているなら、大きな勘違いです。
たしかに、
「3ヶ月で5キロ痩せる」
「2年後に起業する」
「30歳までに200万円貯める」
こういった目標は、「3ヶ月後」や「2年後」の自分の姿を明確にしていて、未来を変えているような気がしますよね。
ですが、目標を立てる本当の理由は「目指す未来を実現するために、今の自分の行動を変えること」なんです。
目的地が行動に変化を起こす
たとえば、旅行を計画していて、目的地が北海道に決まったとしましょう。
すると、
・飛行機の予約をしておこう
・寒いから冬服を準備しておこう
・旭山動物園のwebチケットを買っておこう
こういった行動をとると思います。
目的地が決まったことで、どんな行動をとればいいかが決まったからですね。
当然、目的地が近場の温泉街なら、飛行機ではなくレンタカーを予約したり、どの温泉に入るか調べたりするでしょうし、
海外旅行に行くならパスポートを取ったり、時差を調べたり、また違った行動になっていたはずです。
これって、目指す未来が今の行動に影響を与えているということです。
正しい目標とは
これを目標に置き換えた場合も同じで、その目標によって今の行動にどれだけ変化があったかが重要になります。
「3ヶ月で5キロ痩せる」 という目標を立てたことで、
・間食をしなくなった
・毎朝ジョギングを続けている
・カロリー計算ができるようになった
こういった行動の変化が起こったなら、正しい目標が立てられているということです。
反対に、「3ヶ月で5キロ痩せる」と決めたにも関わらず、運動もせずに間食ばかりしていたら、その目標は正しく立てられていないということになります。
実際に未来を変えるためには、今の行動の積み重ねが必須です。
なので、正しい目標が立てられているかどうかは、その内容ではなく、立てたあとに「どれくらい行動が変化したか」によって決まるんです。
なぜ一般的な目標設定では目標達成できないのか?
ここまでで、目標の役割は、今の行動が変えることだということは理解してもらえたと思います。
ではなぜ、一般的な目標を設定しても、今の行動がなかなか変わらないのでしょうか?
その理由は、一般的な目標設定は生産性を上げるためのものだからです。
SMARTの法則は生産性を上げるもの
SMARTの法則という言葉を聞いたことがありますか?
1981年にアメリカのジョージ・T・ドラン博士が提唱した目標設定のフレームワークのことです。
1:Specific(具体的)
2:Measurable(測定可能)
3:Achievable(達成可能)
4:Related(関連性)
5:Time-bound(期限)
この5つの要素が入った目標を立てることで目標達成がうまくいくということで、ビジネスの現場でよく使われています。
SMARTの法則という言葉自体を知らなくても、このような目標設定は一般的になっているので、仕事や日常で使っている人は多いんじゃないかと思います。
実際にSMARTの法則は、現状の最適化、つまり無駄を省いて効率を高めて、生産性を上げるためには非常に有効です。
「今月の売上を前月比110%を達成するために、新規のお客さんとのアポイントを100件実施する」みたいなものです。
こういった目標を立てると、仕事を効率よく進めたり、あるいは上司が部下の行動を管理したりするときにも効果が高いんです。
しかしSMARTの法則には問題点があり、目標の本当の役割である、今の行動を変えるものではないということです。
現状をより良くするために効果を発揮するもので、スケールの大きな目標や夢を叶えるためのものではないんです。
正しい目標ではなく、ただのノルマになっている
多くの人は無意識のうちに、このSMARTの法則に近い目標を立ててしまっていることが多いです。
「具体的にしよう」「期限を決めよう」「達成できそう」ということに引っ張られて、
「2年以内に起業するためにSNSでの情報発信を毎日1回以上する」
・2年以内に(期限)
・起業するために(関連性)
・SNSでの情報発信を(具体的)
・毎日1回以上する(測定可能)(達成可能)
といった目標を立てがちです。
目標は今の行動に変化を起こすべきなのに、すでに具体的な行動が目標の中に入っていて、しかも毎日1回という数字も入っている。
これってもはや目標ではなくただのノルマになってしまっています。
その結果、3日坊主になってしまったり、行動が続かなかったり、挙句の果てに目標を立てたことを忘れてしまったりします。
一般的な目標を設定しても、人生を良くしたり、自分を劇的に変えることは難しいんです。
ゴール設定とは
では、未来を変えていくために、どんな目標設定をすればいいのかというと、それがゴール設定になります。
ゴールとは、“want to”かつ“現状の外”という2つの条件を満たした目標のことです。
そして、ゴールを設定すると何が起こるかというと、コンフォートゾーンが変わります。
コンフォートゾーンとは、「ストレスや不安がなく、落ち着いた状態でいられる領域」のことです。
人間はこのコンフォートゾーンに応じた行動をとるので、コンフォートゾーンが変わることで、行動が変わり、現実が変わっていくのです。
コンフォートゾーンについては以下の記事で詳しく解説しています。
ゴールの条件1. want to(本音の欲求)
ゴール設定のまず1つの条件は、want to(本音の欲求)であることです。
・周りから止められてもやってしまう
・想像しただけでワクワクしてくる
・褒められなくても夢中になれる
・お金を払ってでもやりたいと思える
want to(本音の欲求)とは、大切な人に止められても、抑えることができない本心のことです。
もし、「あなたの立てている目標は、本当に心の底から実現したい“want to”ですか?」という質問をされたら、どう答えますか?
「いやいや、叶えたい夢を実現するために目標を立てるんだからwant toに決まってるでしょ」
と思うかもしれませんが、want toではなく、反対のhave toの目標を立てている場合があります。
自分の内側から湧いてくる欲求がwant toなのに対して、他人や所属する組織、社会から与えられたルールや常識などの外圧によって生み出されたものがhave toです。
「3ヶ月で5キロ痩せる」という目標が、心の底から体重を減らしたいと思っていたり、痩せたあとにどうしても実現したいことがあるならwant toですし、
今の体型って世間的に見るとに太ってるよな、周りの前が気になるから痩せたほうがいいかな、といった理由で立てたのならhave toです。
have toの代表例
have toには次のようなものがあります。
承認欲求
(例:褒められたい、すごいと思われたい)
自己犠牲
(例:あの人の役に立ちたい、支えたい)
自己防衛
(例:怒られたくない、嫌われたくないからやる)
自己投影
(例:自分に似た境遇の人を助けたい)
こういったhave toでゴールを設定してしまうと、本音で実現したいことではなく、やらないといけないこと、つまりノルマになってします。
人は本当はやりたくないと思っていることを長い時間がんばり続けることはできません。
反対に、本音でやりたいと思っていることなら、前向きな気持ちで積極的に行動できますし、自分でも驚くくらいのいい結果を出すことができます。
ゴール設定をするときは、あなたが心の底からの本音で実現したいこと、叶えたいこと、だというのが1つ目の条件です。
カミノの例
僕は会社員のときに、起業したいと思い、目標を立てて、いろいろと挑戦したことがありました。
せどり、アフィリエイト、ブロガー、コンサルタントなど、どれもやってみるものの長く続かないし全く結果が出ませんでした。
今振り返ってみると、原因は明確で“have to”だったからです。
どれも起業するためにイヤイヤやっていたからです。
しかし、あるとき自分が内向型人間だと気づき、「内向型を世の中に広める」というゴールを設定しました。
その結果、会社を退職し、内向型プロデューサーとして出版することができました。
これはこのゴールが“want to”だったからです。
内向型を広めることを本音でやりたいと思っていたからです。
誰かに認められたいからではなく、家族に喜ばれるためでもなく、シンプルに内向型について発信したいという“want to”だったんです。
上司にも家族にも反対されたけど、勢いで会社をやめるくらい、抑えられませんでした。
周りのことは一切考えずに、ただやりたいという欲求、それが“want to”です。
Want toがわからない
ここで、自分の“Want to”がなにかわからないって人も出てくると思います。
“Want to”の見つけ方はいくつかありますが、まず“have to”を見つけるというのも有効な手段です。
前提として、“Want to”は誰にでもあります。
欲求が全くない人間なんていません。
「大好きなアニメのフィギュアを大人買いしたい!」と心の底から思っているなら、これも立派なwant toです。
でもなぜwant toがないように感じるかというと、have toに埋もれてしまっているからです。
例えば、服好きな人が「自分のブランドを立ち上げてみたい」と思ったとしても、
・今の仕事で責任ある立場を任せてもらってるから退職できないし
・家族がいるから時間がないし
・今の年齢からはできるわけないよな
みたいに社会的な立場や、世間一般の常識や価値観などによって、諦めてしまったりします。
あるいは、どうせ考えても無駄だから、そもそも“want to”なことを考えないようになっていったりもします。
あなたの“want to”が埋もれてしまう原因になる“have to”がなんなのかを見つけることが重要だということです。
“have to”をはがしていけば、“want to”は必ず見つかります。
ゴールの条件2. 現状の外
ゴール設定の2つ目の条件は、現状の外ということです。
まず“現状”とはなにかというと、一般的には【現在の状態、ありさま】のことを指します。
ゴール設定における“現状”は、今の自分のままやってくるであろう未来のことです。
たとえば、「今働いている会社で課長を目指そう」というのは現状です。
何かを劇的に変えなくても今の自分のままで想定される未来だからです。
それに対して、“現状の外”とは、現在の自分のままではやってこない未来のことになります。
安定した会社で働く人が「大好きなファッションに関する仕事を立ち上げる」というのは現状の外になります。
何かを劇的に変えないと到達できない未来だからです。
なぜ現状の外側にゴールを設定するのかというと、コンフォートゾーンを変えるためです。
人間はコンフォートゾーンに留まろうととする習性が強いので、現状のゴールを設定すると、現状維持によって行動が変わらず、現実が変わっていきません。
“普通にやればできること”や“ちょっとがんばればできそうなこと”を目標にしてもコンフォートゾーンが変わらず、いつもの自分のままです。
ですが、現状の外の「大好きなファッションに関する仕事を立ち上げている自分」がコンフォートゾーンになれば、ファッションの仕事をしている自分がとるであろう行動を自然と行うようになります。
その結果、ゴールの実現に向けて現実が変わっていくということです。
“現状の外”の判断基準
そして、現状の外のゴールになっているかを判断する基準は、次の3つです。
・ワクワクするけど、できるか不安もある
・周りの人がそんなの無理だと、驚いて止めてくる
・実現方法が思いつかない
怖さが全然なくて、どうすれば達成できるかもわかっていて、周りの人も驚かないようなゴールならそれは現状の外ではないということです。
僕が会社員のときに設定した「内向型を世の中に広める」というゴールも、現状の外になっていました。
内向型を広めるというのは、会社で働いた延長線上にある未来ではないですよね。
それに、内向型を広める方法も明確に見えいていたわけではないですし、うまくいくのかなという不安だってゼロではなかったです。
でもそれがよかったわけです。
これが「会社の同僚に自分が内向型だと理解してもらう」だったら完全に現状ですよね。
やろうと思えばそこまで難しくないし、出版も絶対にしていないはずです。
ゴール設定の例:ルフィとイチロー
漫画ワンピースの有名なセリフに、「海賊王におれはなる!」というものがあります。
これはルフィが普通の村の何者でもない状態で、「海賊王になる」という現状の外のゴールを設定しているということです。
このゴールを決めたからこそルフィは、泳げないにも関わらず、たった一人で海に出て、素晴らしい仲間と出会い、大冒険を繰り広げているのです。
もしルフィにゴールがなければ、海に出ることなく生まれ育った村で退屈な人生を送っていたかもしれません。
また、元プロ野球のイチローさんの小学校の卒業文集には「一流のプロ野球選手になる」と書かれています。
小学生がプロ野球選手になるだけでも十分に現状の外ですが、さらに“一流”と添えられたゴール設定をしています。
そんなイチローさんは小学生にも関わらず、友達と遊ぶ時間を削って、365日のうち360日は激しい練習をしていたようです。
周りからみると努力家だと思われるかもしれませんが、「一流のプロ野球選手になる自分」がコンフォートゾーンになっているので、そんな自分がとるべき当たり前の行動をしているだけなんですよね。
ゴール設定によってコンフォートゾーンが変わる
先ほど紹介したルフィやイチローのゴールってスケールが大きくてかっこいい感じがなんとなくありますよね。
でも必ずしも周りからみて、スケールがでかければ良いということでもありません。
本人にとっての “want to” かつ “現状の外” であればいいんですよね。
コンフォートゾーンが変わったらどうなるかということを、もう少しイメージしやすいように身近な例で解説してみます。
例:大好きなアーティストのライブ
自分ならどうするかを考えながら、以下の例を読み進めてみてください。
とある会社で働くAさんが、大好きなアーティストのライブチケットをもらったとしましょう。
開催は1週間後の夕方で、有給をとらないと行けない。
だけど、大きなプロジェクトの最中で仕事が立て込んでいるため、いつも通りに仕事をこなしていたら有給をとるどころか残業することが確実。
でも、子供の頃からずっと好きだったアーティストのライブなので絶対に行くと決めた。
このときの状況としては、「1週間後のアーティストのライブに行く」というゴール設定をしたということになります。
残業するくらい忙しいのに、有給をとってライブに行くのは“現状の外”ですし、大好きなアーティストということで“want to”でもあります。
想像してほしいんですけど、Aさんのライブまでの1週間の行動って普段と劇的に変わると思いませんか?
心の底からライブに行きたいから、どうやったら行けるか頭をフル稼働させて考えますよね。
その結果、
・時間の使い方が変わったり、
・仕事への向き合い方が変わったり、
・仕事を整理して任せられる仕事は後輩に任せたり、
・有給を取るために上司に根回ししたり、
・仕事術の本を読んだり、
・朝起きる時間が変わったり、
いつもの自分だとやらないことも積極的にやるはずです。
そして、普段よりも仕事の成果や効率が格段に上がっているはずです。
さらに、周りから見るとすごくがんばっているように見えると思いますが、本人的には別に努力してる感覚はないはずです。
なぜなら、努力しているわけではなく、Aさんのコンフォートゾーンが変わったことによって引き起こったことだからです。
「1週間後のライブに行っている自分」がコンフォートゾーンになっているので、その自分が行うであろう行動を自然と行っているだけなんです。
おそらく、Aさんは行けるはずのない1週間後のライブに参加できたでしょうし、仕事に対する向き合い方などが変わったことで、それ以外にもいい影響があるはずです。
ゴール設定でパフォーマンスを最大に
このライブのケースは、たまたまチケットをもらったことでゴールが設定されたましたが、自分自身でゴールを設定できれば最強だと思いませんか?
Aさんの場合だと、本当にやりたいことを叶えるために、自分の意志で前のめりに行動の変化が起こり、現実が変わっていきました。
同様に、会社の仕事、起業や副業、海外移住など、夢がある場合はゴールを設定することで、現実を変えていくことができます。
がんばって行動を変えようとしたり、パフォーマンスをあげようとするのではなく、最初にゴール設定をすることで、最大のパフォーマンスを発揮することができ、夢の実現に近づいていきます。
まとめ:一般的な目標ではなくゴールを設定しよう
「現実的な目標を設定して、ちびちびと前に進んでいけば、いつか夢を叶えられるはず」と思っているならそれは間違いです。
人生を本気で変えたいと思っているのであれば、あなたの本音の欲求に基づくスケールの大きいゴールを設定することが、最短ルートになります。
「目標を立てているのに、現実が変わっていかない」と感じている人は、目標の立て方を見直してみるといいと思います。